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更新日:2024年10月24日
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昭和46(1971)年発行
One23Vol.58(2024秋号)掲載
今回は、「ゴミ戦争週報」をご紹介します。
ごみ戦争とは、昭和46(1971)年頃に、ごみ公害被害に悩む江東区で起きたごみ投棄反対運動をきっかけとした、特別区におけるごみ処理問題のことです。当時、23区の清掃事業は東京都が担っていました。都知事がこの問題に危機感を持ち、都議会で「ごみ戦争」を宣言したことを受けて、都庁内に設置されたゴミ戦争対策本部が週報として刊行したものが本資料であり、都や関係区等の活動内容、外国のごみ問題および対策の紹介、住民や清掃現場で働く職員からの投書等が掲載されています。
左の「週報No.1」には、ごみ戦争は江東区だけで解決できる問題ではなく、他区にまで及ぶものであり、解決するためには都民全体で考えるべきと書かれています。
この問題の背景には、高度経済成長による大量生産・大量消費社会への変化や、他区での清掃工場の建設が思うように進まなかったこと等があり、行政と住民が協力して状況の改善をする必要がありました。
左は「週報No.20」に掲載されている、東京都清掃局職員と渋谷区の児童会館職員が有志で行った子ども向けの寸劇“ゴミゴンをやっつけろ”の紹介です。
この寸劇では、ごみの不法投棄によって生まれたモンスターのゴミゴンを倒すというストーリーを通じて、子どもたちにごみの適切な処理の重要性を呼びかけています。
次号の「週報No.21」では、上記寸劇の上演後に発表された子ども達の作文の一つを紹介しています。そこには、ものを大切にして無駄な消費はせずに使いきることや、まちをきれいにするために少しずつでも行動を積み重ねていくことが重要であり、それがごみ戦争の終結につながるという子どもの率直な思いが記されています。
ごみ戦争という問題を経たことで、清掃事業を推進することの大切さが住民に浸透し、清掃事業に対する意識も大きく変わったと言われています。
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