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ホーム > 所蔵資料・統計データ > 所蔵資料蔵出し > 所蔵資料蔵出し「東京市政の一斑 第36回自治記念日公刊」
更新日:2024年8月1日
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昭和9(1934)年10月1日発行
One23 Vol.35(2019冬号)掲載
本書は、東京市(昭和9年当時)において、第36回目の東京市自治記念日を迎えることを記念し発行されたものです。東京市政の現状を紹介することにより、市民が市政に関心を持ち、自治の意識を高めることを目的に刊行されました。今回は、本書を通じて当時の東京市政を探ってみます。
明治22年に市制町村制が施行され、それまでの区は市に移行することとなりました。しかし、複数の区が存する東京は、特例により、当時の15区をひとまとめに東京市として成立し、東京府知事が市長を兼ねることとなりました。その後、完全な自治を求めて運動が起こり、区はそのまま残しつつ、府知事が市長を兼ねるという特例は廃止されます。そして、明治31年10月1日に初代市長を迎え、この日は後に東京市自治記念日とされました。
明治31年11月13日上野公園における東京市役所開庁式
当初15区だった東京市は、昭和7年には隣接する5郡82町村を編入して35区となります。これにより、東京市は「面積は五五三方粁(km²)」、「人口は凡そ五百萬」で、「面積に於(おい)て世界第五位、人口に於(おい)て世界第二位の大都市」となり、「ニューヨーク市に次ぐ大都市に迄大躍進を遂げた」としています。
さらに、人口は年々増加傾向にあり、都市としての発展は目覚しいものだったことが読み取れます。
東京市は膨張するにつれて、保健衛生・社会福祉・産業等に関わる施設や事業の拡充が求められました。昭和7年の35区への拡大を機に、「国家に次ぐ巨額の財政を擁し斷然(だんぜん)地方財政の首位を占め」、昭和9年には明治31年の純歳出の「五十八倍の增加」となり、大都市として急ピッチに施設等の整備が進められる様子が読み取れます。
右の写真は、築地中央卸売市場の開場当時の写真です。「生鮮食料品を圓滑(えんかつ)敏速に市民の食膳に供し、併せて價格(かかく)の統制を圖(はか)る」ため、「一千五百萬圓の巨費と三箇年の歳月とを以って昨年暮竣工したもの」で、産業施設の中で最大のものとして紹介されています。
築地中央卸売市場
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