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更新日:2024年3月11日

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所蔵資料蔵出し「婦人画報増刊 東京遊覧画報」

東京遊覧画報01

明治43(1910)年4月15日発行

One23Vol.37(2019夏号)掲載

明治43(1910)年に発行された本書は、レトロなモノクロ写真を多数交えながら、東京市15区(麹町区、神田区、日本橋区、京橋区、芝区、麻布区、赤坂区、四谷区、牛込区、小石川区、本郷区、下谷区、浅草区、本所区、深川区)にあるさまざまな名所の遊覧案内をしています。これらの名所の中には、今でも親しまれている名勝や有名な建物が数々あげられています。今回は、本書を通じて、明治時代の東京のまちを探索してみましょう。

日本橋区“三越呉服店”

日本橋区は、「何をいふても此の區(く)は商業中心」であり、問屋の多くが集中する商いのまちでした。「總(すべ)て日本の産物は一度、此の區に入つてそれから東京市中は固より諸國へも散らばる」ことから、日本の物流の一大拠点となっていたことがうかがえます。また、三越、白木屋、大丸の三呉服店のような問屋に勝るとも劣らない小売店のほか、日本銀行や株式取引所などもあり、日本の経済の中心となっていました。

※日本橋区は、京橋区と昭和22(1947)年に統合し現在の中央区になります。

東京遊覧画報02

三越呉服店

深川区“木場の材木問屋”

深川区は、「此の區ほど市内で橋梁の多いところはありません」と紹介されるほど、溝渠や運河が縦横無尽に走っています。こうした水の利を活かして、木場付近には多くの材木問屋が集っていました。また、東京の人々のお米は、「深川の佐賀町にある廻米問屋の倉に、一旦地方から集まり」、食卓へ届けられていました。深川区は、「家屋の材木は木場から、お米は佐賀町から」、いわば「衣食住のうち食住の2つ」を支えるまちであったことがうかがえます。

※深川区は、城東区と昭和22(1947)年に統合し現在の江東区になります。

東京遊覧画報03

木場の材木問屋

下谷区“上野公園”

下谷区は、「此の區で最も御紹介せねばならぬのは上野公園及びそれを中心としたる附近の箇所でありませう。」と称されていました。現在でも桜で有名な上野公園ですが、明治43(1910)年でも東京市内第一の広さを誇り、春になると桜花爛漫な園内を多くの人たちが訪れる観光名所でした。

※下谷区は、浅草区と昭和22(1947)年統合し現在の台東区になります。

東京遊覧画報04

上野公園

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所属課室:事業部調査研究課

電話番号:03-5210-9683

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