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更新日:2024年3月11日
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明治9(1876)年発行
One23Vol.49(2022夏号)掲載
明治9年発行の「三府五港細見全図」を紹介します。三府五港とは、東京・京都・大阪の三府、幕末に鎖国を解き開港した横浜・神戸・函館・新潟・長崎の五港です。明治11(1878)年に制定された郡区町村編成法により、三府には複数区、五港と人々が多く集まっている地域にはそれぞれ1区が置かれることとなりました。東京府には15区と6つの郡が置かれ、これによって東京に区が誕生しました。
この地図を作成した目的について、福沢諭吉は、「今我國勢ノ真情ヲ詳ニセントスルニ先ツ此八中心ノ事情ヲ知ラサル可ラス。」(今我が国の真の情勢を詳しく知るには、まず中心となる三府五港の事情を知る必要がある。)「此圖一帖特ニ其大小疎密ヲ一ニシテ且之ヲ一靣紙上ニ排烈スルモノハ蓋シ亦今時ノ須ニ應スルノ微意ノミ。」(三府五港の現在の姿を一枚の地図上に大きいところ小さいところを同じ大きさの地図に配列したのは、時代の求めに応じようとの思いからである。)と、著者に代わって記しています。
「三府五港細見全図」には、中央部に三府の細見図、左に横浜・神戸・函館・新潟の細見図、右に長崎の細見図と世界地図・日本列島図がカラーで描かれています。下図は東京府の細見図です。15区と6郡が置かれていた地域は、現在の東京23区が置かれている地域と概ね一致します。
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