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更新日:2024年3月11日

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所蔵資料蔵出し「地方自治読本」

地方自治読本01

昭和29(1954)年発行

One23Vol.27(2017冬号)掲載

今回は、昭和29(1954)年に発行された「地方自治読本」を紹介します。本書は、総理府自治庁から「地方自治の必読書」と銘打って発行されたものです。当時、自治庁は地方自治制度の企画等を担当していました。

地方自治の発展

本書発行の昭和29(1954)年当時は、戦後の民主化改革から早期経済復興へと政策転換がなされた時代でした。しかし、書中には「国民に近い一般行政では、地方行政こそ肝要である。(略)地方行政に関する限り、民主主義と地方自治とは、同意語である。しかも、地方自治で教育訓練を受けてこそ、中央の政治行政における民主主義もまた完成するのである。」(本書119頁より引用)という記載があります。この文章から、地方自治の発展による民主化を進めようとする、自治庁の意思がうかがわれます。

 

本書の内容

本書の内容は、「地方自治とは何か」という概念の解説から始まり、「制度のしくみ」、「行政・財政」といった制度的説明や法律等の解説が掲載されています。

さらには、地方自治の運営などに関して、国民生活と関連付け、一般向けの書籍のように作成されている点が特徴です。投票場や役所窓口の様子等、住民に比較的身近な事柄が下のような写真とともに掲載されています。

地方自治読本02

投票場風景

地方自治読本03

役所の窓口風景

特別区の記述

特別区(東京23区)についての記述を探してみると、「都の内部組織」という記述が見られます。当時、早期経済復興への政策転換の影響等を受け、特別区は東京都の内部団体という位置づけになっていました。具体的には、住民が区長を選挙で選ぶ「区長公選制」が廃止される等、特別区にとっては自治権が後退したといえる時期でした。

その後、特別区は約半世紀もの長い年月に及ぶ自治権拡充運動を経て、他の市町村と同じ「基礎的自治体」として位置づけられ、現在に至ります。

お問い合わせ

所属課室:事業部調査研究課

電話番号:03-5210-9683

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